ソロモンの指環―動物行動学入門 (ハヤカワ文庫 NF 222)

  • 早川書房 (1998年3月1日発売)
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本棚登録 : 2229
感想 : 173
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副題にある通り、動物行動学入門としての名著中の名著。
学者らしく教養深く、かつ、自然動物への愛にあふれた文章に満ちている。
科学的な姿勢と、ユーモアあふれる詩情豊かな表現が両立する事を教えてくれる。

科学者のエッセイや文章というと、高度に知的である人の書くものでとっつき難いかもと思ってしまう。でも、この本はとても読みやすい。愛情深く自然と生き物に寄り添い、その自然のままの姿を愛するローレンツの文章は、特に泣かせにかかっているわけでもないのに、自然と涙が浮かんできた。ハイイロガンのマルティナの話は、とくに。

ソロモン王の指環が無くても、動物を理解する事は出来るのだ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: エッセイ
感想投稿日 : 2020年12月21日
読了日 : 2020年12月21日
本棚登録日 : 2020年10月3日

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