コンスタンティノープルの陥落 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (1991年4月29日発売)
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本棚登録 : 2287
感想 : 188
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Netflixでオスマン帝国を観て興味を持ち、文字でも読みたくてこちらを。世界史に疎い自分もこれは小説のようで楽々読み進められた。(国名や人名などの表記が若干異なるので少々戸惑ったがすぐ慣れた)

軍医、商人、側近、小姓、留学生、それぞれの視点からコンスタンティノープルが落ちていく様子を詳細に記録している。

歴史的な転換点となった出来事の中身もかなりドラマティック。単純に、オスマン帝国のマホメッド2世がビザンチン帝国の都・コンスタンティノープルを手にする物語と一言では言えないような、登場人物全員に敬意を払いたくなるような、そんな感じ。

本当に登場人物全員に感情移入してしまう。なかでもビザンチン帝国のコンスタンティヌス11世。建国から1,100年の歴史、歴代の偉人たちの想いを背負って(重すぎるよ!!!)、運命を受け入れる覚悟を決める場面が泣けてくる。人格者な彼についていく側近がいるのも分かる。カリスマ性があるし。散り方が潔く美しい。武士みたい。

それぞれの立場で役割を全うした全員に拍手。こうやって歴史は語り継がれるのね〜と分かった本。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2020年12月30日
読了日 : 2020年12月30日
本棚登録日 : 2020年12月30日

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