テンカウント (1) (ディアプラス・コミックス)

著者 :
  • 新書館 (2014年3月29日発売)
4.21
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本棚登録 : 4033
感想 : 107
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 まず表紙がもうカッコイイですな。BL初心者の僕としても、普通に惹かれる表紙です。こういう画力のある作家さんの漫画は期待できるぞ、と扉をめくりました。



 こういう設定というかキャラクタ配置って定石なんでしょうかね。教官の意図は窺い知れないのですが、なんだか無理のない配置だったのでそうなのかなーと感じました。年上のノンケで時々可愛い普段は仕事の出来る受けと、年下のゲイ(本編中では明示化されてないけど)で少々強引、クールな攻めってやつです。



 構造として上手いと感じたのは、潔癖症という精神的疾患を患うキャラクタをノーマルな受けに設定している事です。人と触れ合う事に恐怖を感じるというシチュエーションは、つまりそれを乗り越えるプロセスや乗り越えたカタルシスに至る為のネタフリなわけで更に同性との恋愛というハードルも同時に飛び越えさせる事で、ドラマ性が最大化されると思うんですよね。ヒューマンレボリューションのついでに性癖もレボっちゃえよ的な。



 あと、とにかく物語の進行がゆったりしていて、エロが皆無なのも驚きました。とにかくキスさえありませんので、より内面を描くという意味では通常の少女漫画の方法論に近いなと感じました。これは読みやすいぞ!2巻以降にはエロがあるのかもしれませんが、なくても楽しめそうです、いや絶対あるんでしょうけど。


 最後に絵的な話を。室井理人という作家はとても絵がシンプルですね。もちろん良い意味です。物語の空気に透明感が感じられて好きな雰囲気です。そういえば城谷の左目下に小さなホクロが描かれているのは何かこだわりがあるんでしょうか、それとも受け色気の表現の一部なのでしょうか。まだ僕には判りませんでした。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: BL ストーリー
感想投稿日 : 2015年4月21日
読了日 : 2015年4月21日
本棚登録日 : 2015年4月21日

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