コーヒーが冷めないうちに

著者 :
  • サンマーク出版 (2015年12月4日発売)
3.50
  • (712)
  • (1285)
  • (1461)
  • (414)
  • (139)
本棚登録 : 17121
感想 : 1385
4

注がれたコーヒーが冷めるまでの間、過去や未来に行くことができる不思議な喫茶店。
一話完結ではあるものの、登場人物などつながりがあるため、シリーズものとして順番に読むことをお薦めする。
本書はその第一作。
基本的には、その喫茶店に訪れた客が後悔していた過去や、心配な未来へ行くことで、事実は変えられないがその記憶が残ることで、心の持ち方を変えて前向きになれるという内容である。
これは認知行動療法でいうところの「事実と思考・感情の分離」に近いものがあると思われた。よく用いられるのは、半分まで水の入ったコップの例。コップの半分まで水が入っているという「事実」は変わらないが、これを「水が半分しかない」と感じるか、「まだ半分も水がある」と感じるかは、その人の感情や思考によって変わってくるというもの。
本書で扱っている内容も、過去や未来の事実は変えられないが、それを捉えている人の感情や思考を変えることで前向きな気持ちに変えてくれる、それを可能にする場所が喫茶店「フニクリフニクラ」である。
主人公の時田数を中心に、従兄の時田流、常連客の過去も紐解かれながら物語は進みます。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2022年3月26日
読了日 : 2022年3月26日
本棚登録日 : 2022年3月26日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする