冒頭に収録された短編集がなかなか面白かった。
そのタイトルだけでも価値があると思う。
「無垢なエレンディラと無情な祖母の信じがたい悲惨の物語」なんて、読まざるを得ない。
内容が一番好きだと思ったのは「世界でいちばん美しい水死人」。
なんだか可愛らしかった。
タイトルになっている長編はというと、とにもかくにもマルケスらしい作品。
淡々と、あるどうしようもない権力者の半生を事細かに描いている。
権力とは一体何だろう、その実質とは、とこの世に語りかける作品……とかではない。
滑稽で、現実離れしていて、作り物めいた、しかしこの上なく人間らしい物語。
読み終わって孤独しか残らない。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
海外作家
- 感想投稿日 : 2012年6月15日
- 読了日 : 2012年6月
- 本棚登録日 : 2012年6月15日
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