タイトルと内容はイメージが違う。
先生とは何か、すごい先生ってどんなだ、など書いてある話と思いきや。タイトルはキャッチフレーズで。
もっと深い話でした。
人間のコミュニケーションの根源の話であり、文学の話でもあり、発展すると芸術の話だとも思う。
この本で書かれているのは
ファーストフードのようにあらかじめ決められたものをお金で買うようなコミュニケーションには人は退屈してしまい、何も発展しないということ。
だから、「すごい先生」というのはあらかじめ存在するのではなく、生徒が見つけるということ。
お互い何かわからない、誤解が発生するような部分が含まれたコミュニケーションの方が、お互いの興味が湧き、本当のことに近付くという。
哲学的な話が容易に書かれている。
小説でいえば、筆者と読者そして何らかの第三者(それを村上春樹は「うなぎ」と呼んでいる)がいて、そこから小説が立ち上がる。というところが非常に面白かった。
語り口が口述筆記のよう(講演なのですかね?)で、話がどんどん膨らんでいて、センセイの話していない方が多いけれど、飛んだ話がたとえ話含めて全て面白い。
これは内田さんの知識が豊富なのと、一つのテーマ(人と人がコミュニケーションすること誤解が興味を、新しい何かを生み出すこと)に即した上での話が飛んでいるので、安心して、それでいてドキドキして読めるのだろう。
自分が高校生の頃に読んだら、かなり理解できない部分も多かったと思うが、なんだか変なこといってるけど面白いなと断片的な印象が残るのだと思う。
その後の人生で、何かのきっかけでこの断片の印象が思い出され、あ、このことだったのか!となる。
そんな感じの本です。
- 感想投稿日 : 2018年10月18日
- 読了日 : 2018年10月18日
- 本棚登録日 : 2018年10月1日
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