知の仕事術というと、なんだかすごくお堅い本か、ビジネス本のようなスーパー実利的な感じかを想像するが、そんなことはなく、プライベートなことをあまり明かさなかった池澤夏樹さんが、歳もとってきたしある程度柔軟に、個人的な範疇のことも明かしましょう(考え方の種明かしをしましょう)というような趣旨のさらさらっと読める本。
基本的には池澤夏樹ファンが、涎をだして読むようなファン向けの本である気がします。
書いてあることはなかなか要素的には面白いと思います。
日本の書評は短すぎるし対象を書評者が選べないのも不自由だということで、書評者が対象を選択し、字数制限を多くした話など、へぇー、そもそもはそんな制限があるんだなーと感心します。
意外と電子的なことにも積極的にコミットしていたり、Kindleもかなり早めに手にいれているよう。バイタリティ溢れて色々なことに好奇心を抱くアクティブな筆者の像が目に浮かびます。(人嫌いだそうですが)
私は、池澤夏樹のことほとんど知らないので、(名前は有名なので知っていますもちろん。著作を知らない。福永武彦のお子さんだということをこの本で初めて知り、結構驚いた)この本を読むことで人となりをなんとなくわかって有意義だったけど、アイドルなどがインタビューされているような、読者が筆者好きなことを前提のような雰囲気が時々漂っていて、少し胸焼けするような気分になる部分もありました。
全体的には知的層が厚く、気づきになるような要素が徒然に書かれていて、面白い本だとは思います。
- 感想投稿日 : 2018年7月22日
- 読了日 : 2018年7月22日
- 本棚登録日 : 2018年6月23日
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