絶望を感じられる映画を、バラエティに富んだ(どちらかというとコアに映画に関わっている)70名の方々が推薦。
映画を見て、気持ちを沈める、ショックを受けるなんて、あまりしたくない。
けれど、そういう映画はあるし、観なければよかったと思いつつひきづってしまう。
食べ物でいえば、「くさや」のような映画のオンパレードのよう。万人受けでもない、けれども観る人によってはとんでもなく刺さり、目が離せない。
どの紹介も面白い。それが凄い。
そして、
自分が観たこと有る/無い、知っている/知らない
によって読む歓びがまた違う。
・観たことのある映画
「ああ確かにそうだった」と思うもの(西鶴一代女、ミリオンダラーベイビー、リービング・ラスベガス)、「へーそうだっけ?もう一度観て確かめたい」(ポーラX、SWEET SIXTEEN、東京暮色、ジェイコブス・ラダー)など
・観たことがなく、よく評判をきく映画
「やはり観なければ!」(ペパーミントキャンディー、アメリカン・ヒストリーX、オールドボーイ、僕のエリ)というものもあれば、
「ますます見るのが怖くなった。当分観られないな」(ファニーゲーム、TATTO刺青あり、少年、絞殺)
とういものもある。
・観たことも聞いたこともなかった映画
「こんな映画もあるんだ!」というワクワク感。
(炎628、チェイサー、ミスト、日本黒社会LEY LINES、ザザンボ、少女ムシェット、ぼくのバラ色の人生、寅二郎あじさいの恋、ときめきに死す、仁義の墓場、最後の晩餐、殺人の追憶、影の軍隊)
なお、蛭子さんの「マルホランド・ドライブ」の推薦文が、何が絶望なのかを明確に書いていなく、非常に虚を突かれた。さすが、蛭子さん。
絶望映画は、人生の深淵を覗き、普段うすうす気づかないようにしているような、「何かしらの真実」に触れ、芸術的なカタルシスを得られる。
映画は、短い時間にドラマを伝える手段、そして一見リアルなもののように見えるフィクションを、リアルに伝えるもの。その仕組みとして、物語作りとして絶望という演出手段は非常に効果的だなと思う。
- 感想投稿日 : 2018年12月7日
- 読了日 : 2018年12月7日
- 本棚登録日 : 2018年12月7日
みんなの感想をみる