死神の浮力

著者 :
  • 文藝春秋 (2013年7月30日発売)
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感想 : 935
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面白かったです。

クールでひょうきんなおっさん死神 千葉 が、娘を殺された父親と母親の復讐劇に寄り添う。その父親に定められたのは死か生か、千葉が下す決断は…

千葉の振る舞いや言動が愉快。軸がぶれないから読み進むにつれてどんどん魅力的になっていく。(西尾維新さん「物語シリーズ」の貝木泥舟のような魅力w)

娘を殺した犯人の異常さ、異質さはアニメ「PSYCHO-PASS」槙島を思い出させる。←ってわからない例えですいませんw

サイコな仕掛けで次々と死が迫っていく。
ミステリー要素をちりばめながら、映画的なスピード感が面白かった。


死は誰にでも訪れる。
何ども死を突きつけてくる、千葉が。
エンターテイメント的な面白さの中に、哲学的な問いかけを何度も突きつけてくる。

読みながら、読み終えた時…
末期癌の病床にあるのに、「元気にやってる?」と
自分のことではなく私の身体を気遣い続けた母親を思い出していた。

私にもいつか訪れる死。
母親のような強さを忘れずにいたい。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 文学・評論
感想投稿日 : 2014年1月19日
読了日 : 2014年1月19日
本棚登録日 : 2013年8月11日

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