日本を捨てた男たち フィリピンに生きる「困窮邦人」

著者 :
  • 集英社 (2011年11月25日発売)
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日本を捨てた男たち フィリピンに生きる「困窮邦人」2011/11/25

否が応でも視野が広がる
2013年3月18日記述

水谷竹秀さんの取材に基づく本。
ルポタージュかな。

困窮邦人・・フィリピンで帰国することも出来ない日本人。
本のタイトルから能動的に日本から出た人たちのことかと思ったけど・・・

予想以上に酷い人ばかり・・どうしようもないなーという感想しか出てこない。
5章に出てきた人は会社の退職金抱えてフィリピンへ行ったからあながち日本を捨てたと唯一言える人だった・・・

1章から4章までの人達もよくもまあこれだけ堕落できるなと逆に感心した・・
無縁社会だの孤族だの言うけど一部にはこの本の登場人物たちのように本人の不義理のために自ら墓穴を掘っていったとしか言い用のない人たちがいるのだ。
どれだけ親に迷惑かけるのか?借金の踏み倒しとかホント酷い。勘弁して。
フィリピンは駄目日本人を吸い寄せる何かがあるのだろう。
自己責任論だの何だの浮かんでこない。
そもそも論考する気にならない。
銀魂という週間少年ジャンプに連載されている漫画作品で長谷川さんというまるで駄目なおっさん(略してマダ男)が出てくるけど全然駄目じゃないよ長谷川さんとしか言い様がない。

こんな人いるんだなーと視野は嫌でも広がる。
自分を客観的に見ることが出来ない人種なのだろうか。

2章に出てきた過去を語ろうとしなかった名家出身の困窮邦人には若干同情できたが・・
他は同情の欠片も感じることが出来ない。
この辺は個人差あると思いますが・・

困窮邦人のどうしようもなさ・・こんな実態がフィリピンで広がっている事実を世の中に知らしめた本書は貴重である。

あとフィリピン人の気質、貧乏人同士でも困った人を助ける精神は素晴らしいと思う。
キリスト教の影響もあるかも・・・

また犯罪捜査がなあなあになる原因に地元警察の操作力、資金のなさが影響しているのは知らなくて驚いた。拳銃までいくつかは自腹で揃える警察って何よ!って感じ。

こんな社会で犯罪抑止だの何だの無意味やわ。
殺人が起きても偽札事件起きてもなんで数日で捜査終了するの?なんでそのまま放置してるの?
国のトップは何考えてるの?
この辺のどうしようもなさは理解しにくい。まあだから途上国なんでしょうけど。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2022年9月4日
読了日 : 2021年12月9日
本棚登録日 : 2021年12月9日

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