disktnkさんの感想・レビュー

東雲侑子は短編小説をあいしている (ファミ通文庫)

著者 : 森橋ビンゴ

• エンターブレイン (2011年9月30日発売)

ザ・青春ラノベ．ちょっとしたきっかけから一緒にいることが多くなった三並と東雲の，まさに青春を謳歌している様を描いており，読む人にとっては心を抉られるんじゃないだろうか．ヒロイン東雲は作中ではすでに小説家としてプロデビューしており無口な女の子で普通というにはずれているかもしれないが．対する主人公三波は至って普通であり，逐一思考が普通でちょっと笑える．出来のよい兄と自らを無意識に比べながら育ったためか卑屈であり，また苦い初恋が未だに尾を引いている中，女の子に対してどう接すればいいのか考えあぐねいている姿がとてもよかった．
普通の高校生男子による普通の思考と行動で，とてもほろ苦い表情豊かな作品に仕上がっている．

感想投稿日 : 2012年11月1日

読了日 : 2012年10月6日

本棚登録日 : 2012年10月6日