開発プロセスを語るとき,ソフトウェア工学の観点からリーダーシップ理論や生産効率など分析するアカデミックな観点,スクラムやXPといったフレームワークの観点,実際に現場で活用したノウハウの観点の3つがあり,本書ではその3つがそれぞれきれいにまとまっている.特に,数あるアジャイルフレームワークの解説書と違って,それらを現場にどう適用しているかといった実例が写真つきで語られているのが特徴的.第2章ではリクルートや楽天・富士通でのアジャイル適用苦労話が載っており,今の開発現場をどのように改善してきたのかという生の声が載っているのがよかった.いずれも,アジャイルを適用すべく適用したのではなく,改善のフレームワークとして最適だったのがアジャイルだったという視点が明確になっている.
スクラムが日本におけるイノベーションの萌芽となり得るといったありがたいコメントにクラっとなる部分もあるが,ソフトウェア開発=知的創造プロセスにおける将来像を語るコラム+ノウハウ集といったところか.
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
KNOWLEDGE
- 感想投稿日 : 2013年2月26日
- 読了日 : 2013年2月26日
- 本棚登録日 : 2013年2月22日
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