命もいらず名もいらず 上 幕末篇 (集英社文庫)

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  • 集英社 (2013年5月17日発売)
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感想 : 39
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「命もいらず名もいらず」等と言えば「妙に“気合”が?」という感もしたのだが…本作の主人公である山岡鉄舟は、その「命もいらず名もいらず」を「さらり…」と地で行くように、“己の道”のようなものを真っ直ぐに貫いたような生き様で、幕末から明治という揺れ動いた時代を駆け抜けている。本作では、“飛騨郡代”(幕府直轄地であった飛騨一円の行政事務や軍事を司る役目の旗本)であった父に従って飛騨高山に在った思春期から、江戸に出て撃剣に打ち込んでいた幕末期、かの清河八郎とも親交が在った動乱の時期、戊辰戦争期の混沌とした状況下での捨身の活躍、宮内省に出仕した明治期、多くの友人に惜しまれながら末期を迎える辺りまでの様子が余さず描かれる。かなり夢中になった…

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 文庫(国内)
感想投稿日 : 2015年6月13日
読了日 : 2015年6月13日
本棚登録日 : 2015年6月13日

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