歌の本 上 改訳 (岩波文庫 赤 418-1)

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愛とは、人間という謎に満ちた独特の存在が不思議に融けあうこと。▼自分自身を超えることが生の原点であり創生である。ノヴァーリス『青い花』1802

恋に昨日と明日は存在しない。恋は今日という日だけを求める。▼ 世界が木っ端みじんになったとしても、その残骸の破片から炎となって恋の想いは燃え上がる。ハイネ『歌の本』1827

愛は立ち込める霧に包まれた一つの星だ。ハイネ『新詩集』

恋に狂うと言うのは意味が重複している。恋はそれ自体狂気である。ハイネ『シェークスピアの女たち』

学費は安くないが、経験は素晴らしい学校だ。ハイネ
※革命詩人。マルクス主義。

主が人間に将来のことまで分かるようにしてくださる日まで、待て、しかし希望せよ。アレクサンドル・デュマ『モンテ・クリスト伯』1845
※旧約聖書「ヨブ記」からの影響?

世界をただ一人の人物に縮減し、神にまで拡大する。これが愛である。▼いたるところにこれほどの悲惨さがあるのを見ると、私は神はお金がないのではないかと思う。▼子供の苦しみは母の心を動かし、若い男の苦しみは若い娘の心を動かすが、老人の苦しみはだれからも顧みられない。ヴィクトル・ユゴー『レ=ミゼラブル』1862
※力量が足りないのではない。意志が足りないのだ。▼四十歳は青年の老年期であり、五十歳は老年の青年期である。ユゴー
※ルイ・ナポに抵抗して亡命。普仏戦争1870

陽を好むすべてのものは戸外にあり、空は朝の始まりに歓喜し、草は雨滴に輝く。荒野では野兎が喜々として駆けめぐり、その足でもって水を含む大地から靄もやを蹴り上げる。靄は陽を浴びて駆けめぐる、野兎の行くところどこであれ。ワーズワース『抒情歌謡集』1798 湖水地方

バイロン『チャイルド=ハロルドの遍歴』
※ギリシア独立戦争で戦死。

佳き古き時代。すべての歳月は古くなるとよくなる。バイロン『黄金時代』

逆境は真理への第一歩である。バイロン『ドン・ジュアン』

永遠にめぐりくる春よ、あなたは三つの宝を忘れずに届けてくれる。年ごとに咲くライラックの花と、西の空に沈むあの星と、そして愛するあの人の想い出を。ウォルト・ホイットマン『草の葉』※庶民の生活や感情。

寒さに震えた者ほど、太陽を暖かく感じる。人生の悩みをくぐった者ほど生命の尊さを知る。ウォルト・ホイットマン

男は一週間もすれば忘れてしまう一言のために、命ばかりか良心までも犠牲にする。プーシキン『大尉の娘』

不仕合せな妻がただひとり、昼も夜も彼女に価(あたい)しない夫を思って憂うる家庭より悪いものはありません。そういう家庭ではわびしげな夫が、妻の値打ちは認めながら、運命を呪いつつ、いつも眉根(まゆね)を寄せ、黙りこくり、ぷりぷりして、冷ややかな、嫉妬深い気持でいるのが常です。僕はそういう男です。プーシキン『オネーギン』

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ロマン主義。人間の個性と感情。歴史と民俗文化。

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カテゴリ: 世界史
感想投稿日 : 2023年3月29日
本棚登録日 : 2023年3月29日

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