社会学の根本概念 (岩波文庫 白 209-6)

  • 岩波書店 (1972年1月17日発売)
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人の行為には意図や意志がある。人々が自分の行為にどのような意味を持たせているのか理解したい。社会現象を個人の行為の意味から理解しよう。▼行為にはいろんな意味がある。目的を達成するため(お金を儲けるために商売)。ある価値感に従ったもの(お祈り,道端のゴミを拾ってゴミ箱に捨てる)。感情や気分(悲しくて泣いてしまう)。身に付いた習慣(朝起きたら顔を洗う)。▼欲求「~したい」(資源はあるか、~すべきか、~してよいか、価値規範)→目的「~しよう」→資源の動員→行為「~する」。マックス・ヴェーバーWeber『社会学の根本概念』1922

私たちは思考パターンをもっている。私たちが日常において「現実=リアリティ」だと思っているのは、意味の秩序として主観的に構成されたものにすぎない。現実は経験の意味によって構成される限定的な意味領域。現実は経験から独立して存在しているのではない。意味領域は日常の世界以外に、空想の世界・夢の世界なども「現実」として経験される。cf.現象学。▼他人は私と同じ日常の思考パターンを持っていない。国家・民族・職業・学校・年齢・性別・地域によって、人は違う意味世界をもつ。私たちはみな「何を大切に思うか」が違う。あの人はなぜこの時間にこの場面であの行為ではなくこの行為・知覚を選ぶのか。私には理解できない。「何を大切に思うか」行為・知覚の規準が共有されるとき、私たちははじめて相互理解が可能になる。▼近代社会では、意味世界が安定しない。アルフレッド・シュッツSchutz『社会的世界の意味構成』1932

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カテゴリ: 社会学・政治学
感想投稿日 : 2021年8月9日
本棚登録日 : 2021年8月9日

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