乙一さん始め、乙一さん別名義の著者によるアンソロジー。
って、実質1人です。
愛すべき猿の日記(乙一)
小さなきっかけで好転してゆく物語。せっかくなので……の連続が幸せをつかむことに。
だが、現実はこの逆で、小さなつまずきが不幸を連鎖させることが良くありますよね。
山羊座の友人(乙一)
不思議な風の通り道に位置する家のベランダにはおかしなものが引っ掛かっていることがある。未来の記事が載っている新聞の切れ端を見つけた少年は、ある行動を起こした。
宗像君と万年筆事件(中田栄一)
探偵は不潔な小学生。がんばれ宗像君。
メアリー・スーを殺して(中田栄一)
メアリー・スーなるものを意識し、消し去ろうとする女の子の成長と挑戦の物語。
トランシーバー(山白朝子)
不思議なトランシーバーの物語。山白朝子さんの「私の頭が正常であったなら」にも収録されていたので読んでいました。
ある印刷物の行方(山白朝子)
薄暗くて怖いお話。ゾッとさせられますが、「私の頭が正常であったなら」と同様に、主人公を応援したくなる場面が好き。
エヴァ・マリー・クロス(越前魔太郎)
嫌だ。そっちのほうに行くオチが予想できてしまうのが怖い。読んでいる最中に「やめてくれ!」と言いたくなる。
やはり乙一さんは良い。
「ある印刷物の行方」が一番すきかな?
しかし、結局は全部が乙一さんに思える。
それほどはっきりとした別名義による作品の違いは感じられなかった。
もともといろいろな作品を出している人だし、そういう意味で言えば、今回の"別名義集"の意味はない。
だが、おもしろかったので良し!
それがいちばんだいじです。
- 感想投稿日 : 2022年6月22日
- 読了日 : 2022年6月22日
- 本棚登録日 : 2022年6月22日
みんなの感想をみる