タイトルだけでなんとなく読み始めました。不思議な物語に徐々に惹きつけられ、途中、物語の展開も結末も全く見えませんでしたが、それがまた魅力でした。そういうどう転ぶかわからない、先の見通せない不透明感のようなもののなかを進むことが、人間の成長なのかもしれません。
村で唯一のプラネタリウムが、工場で働く人達の少ない娯楽になっているという設定が詩的で癒やされます。プラネタリウムも手品も、不要不急で幻想ではあるけれども、人を幸せにしているというのは、このコロナ禍ではどこか示唆的に感じられます。
支えてくれるはずだった人を亡くした双子が、周りの優しくも個性的な大人達に支えられ、やがては自分も意識しないうちに、支える側にまわっていく様子が描かれています。
プラネタリウムを見たあとのような、どこか幻想的な印象を残すお話でした。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2022年1月30日
- 読了日 : 2022年1月30日
- 本棚登録日 : 2021年10月25日
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