不浄王の1件から騒がしかった雰囲気を抜け出し、学園生活が溢れる11巻。
思考の袋小路へ。自分の出自、兄への嫉妬、そして蝕まれる自覚のある身体。雪男が持つ負の感情は1人で抱え込むからこそ陥ってしまう袋小路です。そうした思考の袋小路は誰しもが陥ってしまうものということを今回の七不思議話や醐醍院で表現していたのが上手いと思いました。仲間がいるからこそ救いあえるというのは少年誌で定番の描写ですけどやはり良いものですね。燐がどんどんその心を広げていく一方、弟である雪男が袋小路に陥ってしまうというのは双子としてバランスをとっていて面白いですが、なんだか心苦しいです。しかし、袋小路はいつかぶち破られるものですからそれを期待して待ちますか。
メフィストの目的、暗躍するイルミナティ、出雲が他人を拒否する理由、宝の役割などなど11巻で貯めているものが一気に飛び出しそうな予感がビンビン感じられます。やはり月刊誌でも今回のように上手くキャラクターたちの個性や気持ちを広げられる描写を盛り込みながらもストーリーを積み上げる進行は大変うれしいもの。これかも1話1話丁寧に積み上げていって欲しいものです。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
未設定
- 感想投稿日 : 2013年8月4日
- 読了日 : 2013年8月4日
- 本棚登録日 : 2013年8月4日
みんなの感想をみる