一巻通してサンドロとペトラの話。他のキャラがほとんど出てこないバランスの悪さは正直痛い部分もあるが、まとめて一気にやったことによる魅力がしっかり出ているため仕方ない。この話に入る前に他のキャラの話をもう少し挟んでからだったらなお良かったのかもしれないが。
初期から伏線を張っていた赤い髪嫌いにようやく触れる展開。サンドロの過去を回想しつつ現在のペトラ・サンドロの両方の心情・距離感を演出しつつ、最後で回想のキャラと触れて大きな変化を与える構成が非常に綺麗。この一巻に完璧な形でまとまっているので何度も読み返したくなる。
回想で登場する赤い髪の女の現状が普通なら「良い事」にもかかわらずサンドロにとってのみ複雑という描き方も非常に良い。
「部屋」を巧く結びつけたり、表現としても魅力の多い話なので是非おすすめしたい。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2012年7月24日
- 読了日 : 2012年7月24日
- 本棚登録日 : 2012年7月24日
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