物語の完結に近づいて少しずつ準備が進んでいるような雰囲気が漂いはじめる11巻。
特に巻末のNavigation55はアリスの卒業という重大なイベントに対してその事自体をテーマとして扱わずに驚きの結末を見せる。導入部分とは少し離れた展開に飛んでから、ここまで読んできた読者なら途中でもしやと気がつけると思える流れ。そのまま予想通り終わるかと思いきや更に予想を超えてくる形で描かれるのが非常にセンセーショナルだと感じさせる。同時に、残りの巻で他のキャラをどうするのか、という所にも期待してしまうような見事な構成には圧倒される。
また、Navigation53ではこれまでいくつかあった不思議な話を地球とは違う火星という読者がよくわからない舞台の七不思議としてまとめあげていく。この扱い方が非常に面白い。
上記2つのまとめとは違って地球から持ち越された文化を初めて描くNavigation52は事前の話も丁寧だが本番が非常に丁寧に描かれていて壮観である。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2013年1月4日
- 読了日 : 2012年12月27日
- 本棚登録日 : 2013年1月1日
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