「ニューアベンジャーズ」と「アストニッシングX-MEN」という新しいシリーズ化した二大作品をクロスオーバーさせる大規模な展開を描き出した本作。しかも旧アベンジャーズ解散のきっかけとなった事件と大きく関わる展開とあって、これまでの設定全てを上手く使っている。
ヒーローが本当に願う理想の世界を見せられ、本来生きていた現実に戻さなければならない、という展開はよくあるものだが、世界全体が変質してしまうという大きな規模で展開することで、「改変世界」という大きな変化をした世界の中でキャラクター一人ひとりが変化した様子を見ることができるのが非常に面白い。当然、そこからパーソナルな悩みも一人ひとり描き出すことができている。
元に戻したいかどうか、という葛藤をあまり深く描いていないのはもったいない気がするが、人数が多すぎるので収集がつかなくなることを避けたいのだろう。記憶を取り戻すきっかけも説明が簡単になるように工夫されている。
巻末に付いている改変世界内でのヒーロー記事「パルス」による大量の改変世界で起きた事件がまた面白そうである。この作品に合わせた細かいスピンオフは大量にあるそうだが、ほとんど邦訳されていないのが残念な所である。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2015年8月9日
- 読了日 : 2015年8月8日
- 本棚登録日 : 2015年8月8日
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