3000億円の事業を生み出す「ビジネスプロデュース」成功への道

  • PHP研究所 (2017年5月12日発売)
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新規事業の生み出し方について書いた本。
新規事業を生み出さないとという危機感を煽るというよりは、新規事業を生み出すためには、深く掘り下げ、自社ならではの事業という筋の良い妄想、チーム構成、社内調整、実行力が必要、という生み出し方がメイン。
新規事業を生み出すのは甘くない。自分には出来そうもない(笑)でも、筋の良い妄想の仕方は参考にしようと思う。より深く考えよう。右脳を使うまで本で知識をためよう。社会的課題と結びつけて仕事のモチベーションをあげよう。

フックと回収の概念はプラットフォームの考えと近しい気がする。インテルとボッシュについてはもっと調べてみたい。それぞれの例を簡潔なため、後は自分で調べろってことかな。

以下メモ。

◎「筋の良い妄想」を生み出すために必要な能力要件
「筋の良い妄想」を生み出ために必要な能力は次の二つだ。
(1)物事を人よりも深く掘り込んで考えられること
何かモノや事象などを見た際、(普通の人以上に)関心を持ち、そのことについて深みを感じたり、色々な視点から考えたいと思ったりできることと、その感触や気持ちを受けて、実際に深く掘り込む思考ができること。

深く掘り下げるためのポイントは、知識の絶対量である。同じテーマの本や周辺の似たような本をまた色々みてみる。複数視点からの知識が溜まってくると知識が何となく立体的になってくる。この「立体的知識の高層ビル」は、ぜひとも右脳に、しかもズームアウトさせて小さくして、かつ、たくさんのビル群として入れてほしい。そのためには、たくさんの知論を山のように詰め込むと良い。左脳に入り切らなくなると自動的にこのような右脳が作られてい
くからだ。
量やスピードを上げることで、あなたの右脳の潜在パワーを引き出してほしい。

(2)多様な客観的視点を高い視座で取捨選択して取り込むことができること
自分勝手な思い込みだけではなく、色々な人の気持ちになって考えることができるかということ。

色々な業界の色々な人の視点に立って考えていく必要がある。そうでないと、独りよがりの筋の悪い妄想に導かれてしまう。
別人格になりきって、自分が作った資料などを見てみるなどして、多様な客観的視点を鍛える。


◎ビジネスプロデュースの最大のポイント
構想設計と、それに自社のビジネスをうまく結びつけることだ。そのためには、まず社会的課題を上手に切り取って構想を組み上げ、自社の強みをうまく配置しながらフックと回収エンジンを組み上げることが必要になる。


「クックパッドと言えば、売上は小さいが時価総額が高い会社の典型として取り上げられることが多かったが、最近、この回収エンジンが回り出し、着実に売上が上昇してきた。
二〇一五年の営業利益率は四四%。

◎自社の強みとは
強みは「相対的なもの」である。自社が自分で強みだと思っているものは、すでに十分に活かしてきたはずだし、競合も似たり寄ったりで、意外に強みでなかったりする。
逆に、強みでなかったので競合と戦うために苦しみながら一生懸命に取り組んできたことが、いつの間にか、他業界から見たら、垂涎の強みとして映っている可能性もある。

◎社会的課題
社会的課題を起点にした構想は、儲け度外視の慈善事業やCSR(企業の社会的責任)のようなプランになりがちです。また、自社でなくても良い構想や、自社にはできない構想
にもなりがちです。「深く掘る」ことが足りていないんですね。深く掘るためには、様々な視点からの考察が不可欠です。多くの関係者へのインタビューが必要となります。そこで得た情報を整理・統合しながら、より深く考え、またインタビューを行う。そうすることで、初めて本質的な課題にたどり着き、より良い構想につながります。


「フックは、ビジネスにおける『撒き餌』のことであり、回収エンジンは『お金を得る仕組み」のことです。フックは撒き餌ですから、顧客を惹きつける役割を担わなければなりません。つまり、顧客にとって、分かりやすい付加価値を感じられるもの、ということですね。そして、フックで集めた顧客を、上手に自社が儲けるための仕組みである、回収エンジンにつなげていく。この『つなげていく』ところがとても大事なんですね。また、回収エンジンで大事なことは、儲けの仕組みがきちんと入っていることであり、それが大きくなるということです。



読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2019年12月30日
読了日 : 2019年12月30日
本棚登録日 : 2019年12月30日

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