小説の書き方の指南書ではない。上手な文章を書く方法でもない。小説を書くということは学校でお勉強をするのとは真っ向対立するものなのだから。
小説を書きたいなら、まず小説を書くこと。
では、何を書くか? 自分がよく知っている事を書く、本当に知っていることを書く。いきなり書き出してはいけない。書く前の沈黙を味わう。
そして次に小説と遊ぶ・つかまえるレッスン。
どんな文・考え・ことば、が飛んできても受け止めるレッスン。
この著書の中にはとうてい受け入れがたい文章も例として出てくる。でも目を背けてはいけない。
ことばの直球、変化球も捕る。ただ一人が持つ一つの専用道路を走る小説を拒否しない。
そして遊ぶ、何がおもしろいか考える。自分とズレを感じる作品ほどそのズレを楽しんでみる事だ。
また、飛んでくる球から、自分の恋人をみつける。好きにならずにいられないものをみつける。
そして赤ん坊のように真似る。心酔したものを真似る。母親の真似をしてことばを覚えるように。
小説の楽しみ方、味わい方が書かれた本。これからはより「たいせつに」「あじわいながら」「あそびながら」、そしてどんな強い球でも受けることができるような読書をしたいと思う。
小説を書いてみたい人にも、小説をよく読む人にも効いてくる本。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
生活・自己啓発
- 感想投稿日 : 2015年12月20日
- 読了日 : -
- 本棚登録日 : 2015年12月20日
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