作品解説(帯より):女児誘拐殺人犯として有罪判決を受けた柏木喬――。懲役15年の刑を終えて出所した彼は、意図的に冤罪を被ったと主張するが……。柏木は本当に無実なのか? 彼の狙いは? 意想外の展開、衝撃の真相!
比較的穏やかに始まる第1部。奴は「被害者?」「加害者?」それともただの「関係者?」一度ならずとも犯人像を捉えたかに思えるのも束の間、巧みなミスリードに翻弄され、遂には作者の意図するところへと思考を誘導されてしまう。こうなると決して犯人へは辿り着くことはかなわず、作者は心の中でしめしめと思いながらニヤついているに違いない。
第1部とは打って変わって、激しい動きをみせる第2部。幾重にも結ばれた事件の真相が、一つ、また一つとほぐれていく……ように見えるが、気付くとそれはいっそう固く結ばれてしまう。本格&人間派ミステリーの融合は、ラストで全てが氷解する。人は罰によって罪を贖えるのか?
読了後、深く心を揺さぶる最高傑作。
読書状況:読み終わった
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イチオシ!
- 感想投稿日 : 2017年2月1日
- 読了日 : 2005年6月2日
- 本棚登録日 : 2017年2月1日
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