100万回生きたきみ (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA (2021年8月24日発売)
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本棚登録 : 2250
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100万回生きたきみとわたし
きみと彼女には明確な存在意義があり、名前もあった。
わたしに明確な存在意義はあったのだろうか?
わたしは自分の存在意義を問えるほどの知能を得ることが出来てしまっていることに、100万回生きた時間経過を感じた。
わたしはきみと共に100万回もの時間を共有してきた。
きみが見たものきみが聞いたものは、わからないながらに、わたしにも記憶が残っていた。
だからわたしは片時もきみと離れることなく、きみが気にかけた人の言葉を体現するようになった。
きみはわたしのことを、どう思っているのだろう?
わたしの存在意義はきみだった。
だけどきみが見ていたのは追いかけていたのは彼女だった。
わたしが彼女だったらよかったのに…。
わたしという存在は、誰に認められることもなく帰る場所もなく、ただ消えていく。
きみの為に…きみと彼女の物語の為に、ただ消えていく。
これは自殺になるんだろうか…。


蝶になり鳥になり猫になり人間となり…タラニスを呪うエネルギーから物質化し意思も確かなものになり、最期には消えてしまった呪いの事がただただ気になって、モヤっとした気持ちを書き起こしてみました。が、呪いが1番ピュアで誰を恨む事もなく、自分の好きな人の為に身を引いて消えていったんだなと。誰かが呪いを救ってあげられないかなとなりました。タラニスと共に過ごせた日々、愛情を向けられていた日々だけで、呪いは本当に満足だったのだろうか?泣いてはいないだろうか?気になってしまって、呪いのスピンオフを書きたい書けないしています。書いてみたいな。
2人は本当に自分たちのことしか考えていなくて、呪いが解けた方法にも目を向けていないような?いなくなった友のことはどうでもいいのか?なんかよくわかんないけどハッピーみたいなところにタラニス薄情だなとモヤモヤ。終わりよければ全てよしなのか。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2022年1月28日
読了日 : 2022年1月27日
本棚登録日 : 2022年1月27日

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