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- / ISBN・EAN: 4988142977625
感想・レビュー・書評
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制作年:2005年
監 督:ベネット・ミラー
主 演:フィリップ・シーモア・ホフマン、キャサリン・キーナー、クリフトン・コリンズJr.、クリス・クーパー
時 間:114分
音 声:英:ドルビーデジタル5.1ch、日:ドルビーデジタル5.1ch
1959年。
小説「ティファニーで朝食を」で名声を高めた作家のトルーマン・カポーティは、ある小さな新聞記事に目を留める。
カンザス州の田舎町で、農家の一家四人が惨殺された事件。
カポーティはノンフィクションの新たな地平を切り開くという野望を胸に、ザ・ニューヨーカー誌の編集者、ウィリアム・ショーンに執筆の許可を取りつける。
そして良き理解者である幼なじみのネル・ハーパー・リーを伴い、事件の取材に着手。
田舎町では彼の名声も役に立たず、最初は難航したが、やがて地元の警察の捜査部長であるアルヴィン・デューイの妻がカポーティのファンであったことから事態が好転。
ついには逮捕された犯人二人組に接触する。
その内の一人、ペリー・スミスとの出会いはカポーティの創作意欲を強く刺激した。
カポーティとペリーには生い立ちや境遇に共通点があり、二人は互いに相手の中に自分を見出すようになっていたのだ。
やがて犯人に下される死刑判決。
ペリーは、何度も面会に来るカポーティに心を開きかけていたが、ある時、自分の話をカポーティが小説に書き始めていることを知る。
ペリーは警戒し始め、執筆は停滞。
それでもカポーティは、小説を完成させる野心を捨てることができず、ペリーとの間に芽生えた友情と信頼を裏切る形で、ついに小説のクライマックスとなる犯行の詳細について聞き出すことに成功する。
やがてペリーは、カポーティの眼前で絞首刑に処された。
1965年、小説は「冷血」というタイトルでザ・ニューヨーカー誌に発表され、大反響を巻き起こすが、心に大きな痛手を負ったカポーティは、それ以降、本格的な作品を書けなくなってしまうのだった。 -
もうフィリップ・シーモア・ホフマンが出ずっぱりの独壇場。
良い俳優だなぁとつくづく。
死刑囚と向き合うという重苦しいテーマ。
良いなぁと思ったのはそれにマッチした抑えた色調の画面
どっしり、ゆったりとしたシーン構成
印象的な遠景を上手に使ったカットと凄く私好み。
アカデミー監督賞にノミネートされるだけの手腕が伺えた。
ただこの監督、非情に寡作なのが残念。
劇場用の作品はこれと「マネーボール」の二作のみ。
もっと見たいなぁ。
【追悼:フィリップ・シーモア・ホフマン】
彼の急逝には少なからずショックを受けました。
大好きなポール・トーマス・アンダーソンの映画で彼を知った。
ついこの間も名作「ザ・マスター」を見たばかりだったのに…
私の「見たい映画リスト」で順番待ちをしていたこの映画を
追悼の気持ちを込めて繰り上げ鑑賞いたしました。 -
名作誕生の裏側にある天才作家の苦悩と葛藤、真実を描いた衝撃のドラマ
見どころ
自作のために殺人犯に近づき、親近感を覚えてしまうことに戸惑い葛藤する姿が見どころ。人間の独善的でダークな部分をリアルに描いた役づくりと演技、演出は見応え十分。
ストーリー
1959年、カンザスの田舎町である家族が惨殺される事件が起きた。作家のトルーマン・カポーティは事件に興味を持ち、死刑判決を受けた被告人、ペリー・スミスに接近する。6年に及ぶ取材を経て、カポーティは最高傑作「冷血」を完成させるが…。
ここがポイント!
2006年のアカデミー賞でフィリップ・シーモア・ホフマンが主演男優賞を受賞している。 -
「冷血」を読んでいたので、この映画も。もう一度読み返そうと思う。
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■I miss you, Philip Seymour Hoffman so much.
■カポーティは殺人犯ペリーにsympathyを感じている。なぜなら自分も、ペリーと似たような複雑な家庭に育ったから。映画の中でカポーティはこう言っている「I and Perry grew up in the same house.One day he set out from the backdoor, and I went out from the front.」 しかし『冷血』(本)で詳しく描かれたペリーの悲惨な家庭環境は映画ではほとんど触れられることなく(ペリーの姉ちゃんがちらっと出てきた)、ただ、これから射殺しようとする犠牲者の頭に枕をあてがったことからカポーティはペリーを気に入っていた、くらいにしか説明されない。これでは視聴者はカポーティのペリーに対する共感がピンと来ないのではないか。
■というわけで、Philip Seymour Hoffman にも『冷血』にも馴染みのないひとにはこの映画は全くおすすめできない。 -
一家四人惨殺事件に興味を持ったカポーティは、犯人2人に密着し、ノンフィクション小説を書きあげる、その経過を描いた。・・カポーティは実際どういう人だったのか?見かけは?俳優は似ているのか? うーん、なにかあまり共感できなかった。「冷血」を読んでみなくては。「ティーファニーで朝食を」は映画はおもしろいと思わなかった。が、「遠い声 遠い部屋」を読んでみようという気になったのだからやはりこの映画は成功してるのかもしれない。
2005アメリカ
2018.11.18レンタル -
フィリップ・シーモア・ホフマンの演技が、
あまりに秀逸で、
どちらかといえばたぷっとした印象の全体像が、
あの声と話し方を含めて、
がらりと変化しているから、
まるで別人のようだ。
こんなにも繊細な演技ができる人だからこそ、
自らの繊細さをコントロールし、
揺るぎない自我が必要だっただろうに。
実に惜しい役者を亡くしたものだ。
カポーティ自身も、同様だったのか? -
以下ネタバレ注意
殺人犯の動機が、高貴で優良な人間を目の当たりした時の衝動というのはすごく説得力があったなあ。
まともな人間に会ったとき、相手が同じ人間に思えず、むしろ自分は人間じゃないのかもしれないと思えてくるよね。
あの落差を思い知るときの黒々しい衝動っていうのは、まともな人間にはない感覚なのかもね
フィリップシーモアハフマン、すきになりました -
物語を書き終えられない。終わりなきストーリーに巻き込まれて、身動きがとれない。だけど、それが終わることを、望んではいけない。なぜなら、それは人の、いや友人ともなっていた彼らの死を望むことだから。
倫理と、作家としての欲望の間で、崩壊していく。天才的な記憶力もまた、彼を押しつぶしていく。