ハイキュー!! ショーセツバン!! 13 (JUMP j BOOKS)

  • 集英社 (2020年11月4日発売)
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本棚登録 : 360
感想 : 13
5

本人はほとんど出てこないのに、終始及川徹が主人公の物語だったように思う。
物語はインターン中の山本あかねが妖怪世代全員にインタビューをしたいと心に決めたところから始まった。オールキャラ宜しくメインキャラが次々と出てきたが、どれも漫画本編のハイキュー!!を思い出させてくれるようで、胸を高鳴らせながら読んだ。
個人的に、京谷が「青城に、及川さんがいたから、…」と話す場面が新鮮だった。本編では返事すらマトモにしていなかったのに、対烏野の準決勝を経てそのように思うようになっていたのだな、と。
また、国見が「及川さんが白鳥沢を蹴って、影山が烏野に行った、ってことでしょ」と言ったのだが成程、ハイキューの物語において、特に宮城県内ではこの前提がとても大きいように感じた。全員が同じチームになっていればレベルアップはしない。天敵が天敵であり続け、チームメイトと仲違いをした天才がいたことで、今の(と言っても架空の世界の話ではあるのだが)モンスタージェネレーションがあるのだろう。
岩泉が目標とするトレーナー像が「選手に怪我させないトレーナー」であり、その理由が「スポーツ選手というのは、とにかくムチャをしたがる」という点に及川徹の中学時代を隣で見てきた幼馴染の立場を感じた。花巻が及川を「このままいなくなる奴じゃないから見てな。きっと、どっかから湧いて出てくるから」と表現したのも強い愛と信頼を感じる。

少年ジャンプの公式ノベライズは、表現が難しくなくすっと理解しやすいから疲れている時でも気軽に読むことができるうえ、様々なキャラクターの本編以外の物語を垣間見ることができて好きだ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2022年7月11日
読了日 : 2022年7月11日
本棚登録日 : 2022年7月11日

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