最初の雰囲気から、こうなって行くんだと言う圧巻の作品。ラストに居たり、以前視た「カラーピープル」を思い出した。
この作品、恐ろしいまでに感情を押し殺し、淡々と、事実を突き詰めて行く手法。
残酷なシーンも寓話的に、擬人法を多用しているところが逆に寒気を感じさせる。
選書する際「柴田さんの訳なら最高だ」とチョイスしてよかった。頭に残存する微熱がたまらない。いわゆる「文学」とは大きく異なり、骨組みが無い、ふわふわしていつつ、流れも掴めない。しかしひたひたと何かが起こり、収まって行くという本。
邦題の「優しい鬼」=kind one
よくつけたもんだと舌を巻く。
アノニマスの「人」は本性むき出し・・それが故に無気味で真は冷たい・・んだと。
善き神は私達を見下ろすとき、色なんか見ないと両親は言っていたわ」の言葉がこの作品のコンセプトか。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2020年10月1日
- 読了日 : 2020年10月1日
- 本棚登録日 : 2020年9月26日
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