23年前、当時14歳の少年だったウーロフはとある少女を暴行殺人した犯人とされた。
仕事中偶然立ち寄った故郷で、ウーロフはなんと実の父親の死体を発見してしまう。
ウーロフの昔の事件を知る地元の人間は、ウーロフが犯人と信じて疑わなかったが…
その事件から始まり、次々と連鎖して明かされていく事実。
それを紐解いていく主人公で女性警部補のエイラ。
彼女は私生活では、認知症の母親と悩みながら暮らしていた。
次々と明るみにされていく過去は、現在は、柔らかい急所のようなもので、多く登場する人物たちの生い立ちと家庭の事情とやらだったりする。
事件と日常。
まるで相反するようなこれらが結びつく。
私たちの日常はいつ事件となるかもしれないし、ならないかもしれない。
そして人間というもの、人柄というものの不確かさのようなものも。
そう、仄かに思わせる物語だった。
緩やかすぎず激しすぎずの物語の起伏は、飽きがこず読み進めることができた。
シリーズものかぁ、エイラの今後が気になる気持ちがあるから、続きが出たら読んでみたいかも。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
海外文学/小説
- 感想投稿日 : 2023年5月18日
- 読了日 : 2023年5月18日
- 本棚登録日 : 2023年5月18日
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