心地よい静けさと親愛に満ちた、素晴らしきSF絵物語。
絵も文章も両方とも素敵。
主人公は数いるナニュークのうちの1人。37922…通称22号と番号で呼ばれてる。
ナニュークは隠児石という鉱石を採掘するために生み出されたクローン。
隠児石の光は幼い子どもにしか見えず、その光を見る力が一番強い少年、ナニュークを元に作られたクローンなのだ。
クローンとはいえ、みな性格は異なり見た目にも少し違いがある。ひとりひとりちゃんと意志を持った人間なのだ。
22号は採掘の役目を終え、急に消えたまるで運命のように気の合った23号を迎えに行くために都市部である紅茶街に向かう…
ああ、このあらすじでは実際の尊みが伝わらない…
本文中のイラストはもちろん、表紙もナニュークたち含め紫貴重でなんとも言えない静謐さと美しさがあり、大事に手元に置いておきたい気持ちにさせられる。
果たして22号は23号に会えたのか。
その過程の22号の考えることや、静かに、でも前向きに進んでいく時間の描きかたがとても好き。
最後の展開もとても良い。
すごくエモい。
ぜひ手に取って、本書を読んで、目を閉じて、瞼の裏に浮かび上がっていく光の瞬きを感じてほしい。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
SF/科学/生物etc
- 感想投稿日 : 2022年12月19日
- 読了日 : 2022年12月19日
- 本棚登録日 : 2022年12月19日
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