SRE サイトリライアビリティエンジニアリング ―Googleの信頼性を支えるエンジニアリングチーム

制作 : Betsy Beyer  Chris Jones  Jennifer Petoff  Niall Richard Murphy 
  • オライリージャパン (2017年8月12日発売)
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感想 : 21
5

内容が網羅的で用語の解説も丁寧なので、SRE について知りたいと思った時に読む本としておすすめできる。


本書は 34 の章から構成されていて、さらに 5 つの部でまとめられている。

第Ⅰ部 イントロダクション 1章 ~ 2章
第Ⅱ部 原則 3章 ~ 9章
第Ⅲ部 実践 10章 ~ 27章
第Ⅳ部 管理 28章 ~ 32章
第Ⅴ部 まとめ 33章 ~ 34章

第Ⅱ部 原則 ではトイル、サービスレベル目標など、他の書籍でも SRE に関連して紹介される考え方についての詳しい説明があったり、モニタリングや自動化、コードの単純さなどについて書かれている。この部では技術的に込み入った内容の記述は少なく、概要を知るのに適している。
サービスレベル目標は『SLO サービスレベル目標』にも書かれているが、概要を掴むのであれば本書籍でも十分だと感じた。

第Ⅲ部 実践 では、ロードバランシングに関する章では分散合意アルゴリズムや異なる環境におけるロードバランシングについてなど技術的な内容が書かれていたり、モニタリングシステムである Borgmon やポストモーテム、ローンチチェックリストなど様々な取り組みについて紹介されている。
ポストモーテムはテンプレートも掲載されていて、参考になる。分散合意アルゴリズムについては『データ指向アプリケーションデザイン』に詳しく書かれていて、併せて参照すると役に立つ。

第Ⅳ部 管理 と 第Ⅴ部 まとめ には組織的な話や運用観点の話が書かれている。

全体を通じて情報量と詳細な説明のバランスが取れていて、すぐには導入できない技術的な箇所はあるにせよ、文化的だったり組織の仕組み的な部分は短期的にも参考になる記述があり、とてもいい本だった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2023年8月29日
読了日 : 2023年8月26日
本棚登録日 : 2023年8月26日

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