データ指向アプリケーションデザイン ―信頼性、拡張性、保守性の高い分散システム設計の原理

  • オライリージャパン (2019年7月18日発売)
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感想 : 16
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分厚い上に内容は抽象的なので、実務経験を積んでいなければ理解することは難しい。その上で、実務で大規模なデータを取り扱うITエンジニアにとっては有用な指針となるだろう。

スケーラブルで信頼性のあるシステムをどう作れば良いか、という点について絶対の解は存在しない。その上で、どうやって立ち向かっていけば良いかを丁寧に説明してくれる。

中盤、特に5章のレプリケーションと7章のトランザクションについては理解が曖昧だったり足りなかった部分を説明してくれて非常に良い。コードレビューの際にこういった部分を指摘できるようになれたら開発の安全性に寄与するだろう。

秀逸なのが9章で合意が取り扱われることで、8章までの内容を理解しなければ合意アルゴリズムの妙を理解できないということが嫌でも分かる構成になっていることだ。

終盤はRDBやKVSにまつわる問題よりはデータエコシステム全体に関することが説明されるが、モダンなシステムにおいてはやはり考えるべきことであり、学びの多い一冊だった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: IT
感想投稿日 : 2022年1月7日
読了日 : 2022年1月6日
本棚登録日 : 2022年1月6日

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