企業が新たなる成長の道を探るとき、コアコンピタンスに着目しそれを強みとしてイノベーションを試みるというケースは多いが、現実的には失敗する可能性が高く投資効果の得られない博打である。本来、企業が新しいことするときには、コアコンピタンスに軸を置いて考えるのではなく、コアエッセンスに軸を置いて考えるべきであるという、これまでにない新しい論調である。確かに、変化のスピードが早くにありニーズが多様化している現代の社会において、コアコンピタンスにこだわって継続性のある事業を創ろうとすることがどれだけの価値を持っているのか、疑問を感じる部分もある。そのような中で、コアエッセンスこそが企業の強みを出せる源泉であるという提言には新鮮みを感じた。しかしながら、そのコアエッセンスが何かということに企業自身が気付くのが難しいというジレンマがあり、そのジレンマを解消するためのヒントをいろいろと与えてくれるのが本書。
豊富な実戦経験を基にして書かれており、示唆に富んだ読み応えのある内容。イノベーションを考える上でも、一旦反対に振った議論として大変に参考になる。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
戦略本
- 感想投稿日 : 2009年12月22日
- 読了日 : 2009年12月22日
- 本棚登録日 : 2009年12月22日
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