【旧版】深夜特急5 ートルコ・ギリシャ・地中海 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (1994年5月30日発売)
3.86
  • (646)
  • (628)
  • (875)
  • (32)
  • (2)
本棚登録 : 5899
感想 : 357
4

トルコからギリシアへ
西へ行くにつれ、主人公が少しずつこの旅に興味を失いつつあるように、読者にとっても今までのような興奮が薄れてきた感がする
やはり日本も違いはあろうが西側諸国の文化・暮らしに近いせいだろう

文中におもしろい言い回しがあった

「トルコからギリシアに入ることで、アジアからヨーロッパへ、イスラム教圏からキリスト教圏へ、茶の国からコーヒーの国へ、「C 」の茶の国から「T」の茶の国へと違う種類の国へと来てしまったのだ」

言い得て妙だなと思った

また、さらにこんな文章も
「人の一生に幼年期があり、少年期があり・・・老年期があるように、長い旅にもそれに似た移り変わりがあるのかもしれない
私の旅はたぶん青年期を終えつつある。何を経験しても新鮮で、どんな些細なことでも心を震わせていた時期は終わったのだ」

主人公は、この旅をどのように終わらせるのか、しおどきをどのように見つけるのか考え出している
それは私たち読者にしても、残念ではあるが興味のあるところだ

さあ、残るは最終巻の第六巻へ

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2021年11月27日
読了日 : 2021年11月27日
本棚登録日 : 2021年11月27日

みんなの感想をみる

ツイートする