トルコからギリシアへ
西へ行くにつれ、主人公が少しずつこの旅に興味を失いつつあるように、読者にとっても今までのような興奮が薄れてきた感がする
やはり日本も違いはあろうが西側諸国の文化・暮らしに近いせいだろう
文中におもしろい言い回しがあった
「トルコからギリシアに入ることで、アジアからヨーロッパへ、イスラム教圏からキリスト教圏へ、茶の国からコーヒーの国へ、「C 」の茶の国から「T」の茶の国へと違う種類の国へと来てしまったのだ」
言い得て妙だなと思った
また、さらにこんな文章も
「人の一生に幼年期があり、少年期があり・・・老年期があるように、長い旅にもそれに似た移り変わりがあるのかもしれない
私の旅はたぶん青年期を終えつつある。何を経験しても新鮮で、どんな些細なことでも心を震わせていた時期は終わったのだ」
主人公は、この旅をどのように終わらせるのか、しおどきをどのように見つけるのか考え出している
それは私たち読者にしても、残念ではあるが興味のあるところだ
さあ、残るは最終巻の第六巻へ
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2021年11月27日
- 読了日 : 2021年11月27日
- 本棚登録日 : 2021年11月27日
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