星野さんの生きた証とも言える写真集
一番読みたかった本がやっと手に入った
何冊か星野道夫さんの軌跡を辿るエッセイを読んできたが、やはりこの写真集は圧巻だ
言葉が出ない
星野さんがアラスカを目指すきっかけとなったシシュマレフの酋長に宛てた手紙と
半年後に酋長から届いたその返事も原文のまま収められていた
広大な雪原の中、ピッタリかたまって眠るホッキョクグマの親子
泡の檻の中に閉じ込めたいニシンの群れを下からひと呑みするザトウクジラ
そして、星野さんのライフワークとも言うべき何万頭ものカリブーの大移動
北極圏を目指し1000キロもの旅をするカリブーを星野さんのカメラはしっかりと捉えている
この瞬間を収めるためにどれだけのキャンプをされたことだろう
そして私が何よりも心を打たれたのは、現地エスキモーの家族や子供たちの澄んだ目とクリンギットインディアンの酋長と言われた長老の静かで穏やかな目だ
「どんな民族であれ、どれだけ異なる環境で暮らそうと、人間はある共通する一点で何も変わらない。それは誰もがたった一度のかけがえのない一生を生きるということだ。世界はそのような無数の点で成り立っている」
星野さんが30年前に追いかけたアラスカの地、現在はどう変わったのだろうと気になった
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2023年6月16日
- 読了日 : 2023年6月16日
- 本棚登録日 : 2023年6月16日
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