19世紀イギリスの女性作家であり旅行家、イザベラ・バードの伝記。
彼女が世界中を旅し、その体験を出版したのは40歳を過ぎた頃からだったそうだ、それまでは内向的で病弱だったというのだから信じられない。本作ではサンドイッチ(ハワイ)諸島、ロッキー山脈、開国直後の日本、マレー半島、チベット、ペルシアの旅の様子が紹介されている。
『日本奥地紀行』を読んだ時にも感じたが、ズル賢くデリカシーの無い日本人に比べ、大らかでやさしいアイヌの人々の姿が非常に印象的だった。もしイザベラの旅が青森で終っていたら、イギリス人の日本に対するイメージは少し違うものになっていたのかも知れない。
旅する生活を始めてからも、背中の持病には悩まされ続けていたが、イギリス国内で療養している時よりも、海外の僻地で馬に揺られている時の方が活き活きと描かれているのが印象的だった。
最愛の妹ヘンリエッタや夫ビショップとの死別という絶望を乗り越えられたのも、きっと旅という天職のおかげだったのだと思う。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
歴史
- 感想投稿日 : 2016年1月30日
- 読了日 : 2016年1月30日
- 本棚登録日 : 2015年9月26日
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