テレビは見てはいけない 脱・奴隷の生き方 (PHP新書)

著者 :
  • PHP研究所 (2009年9月15日発売)
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感想 : 155
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コンフォートゾーンやスコトーマにホメオスタシス…といつもの苫米地節が炸裂しています。
快適に生活できる状態をコンフォートゾーンと呼ぶらしいです。
そこから外れた際に元に戻そうとする機能がホメオスタシス。ホメオスタシスは恒常性として高校の理科あたりでも出てきますよね。著者はこれを情報空間にまで拡大できると考えてるみたいです。
コンフォートゾーンにとどまっていると認識が狭くなり、スコトーマ(心理的盲点)が生まれてしまいます。視点を変えると見えるものがありますよね、あれだと思います。カラーバス効果とかRASとかで調べた方が分かりやすいかも。
このコンフォートゾーンが誰かの価値観で作られてしまい、スコトーマで見えてないものがあるかもしれない。自分オリジナルのゴールを見つけてコンフォートゾーンを上にずらし、他者からの洗脳を抜け出そう。その洗脳をする者にとって都合の良いツールがテレビだ。というのが大枠ですかね。

まず、テレビがいかに洗脳ツールとして優れてるかが解説されます。
正直、著者が手掛けている「キーホールTV」と「サイゾー」の説明(宣伝?)が殆どで苦笑しました。面白くもあるので是非ご一読ください。
映像メディアとしての問題とメディアの腐敗などを同列に語ってるのが気になりましたが、分かりやすい説明で読みやすかったです。
メディアの力を示す例として、著者がハイジニーナの商標登録を行ったり、カリスマ美容師ブームを仕掛けた話が載っています。真偽は不明ですが凄いですね。
>ユーチューブの弱点はデータ形式がMPEG方式のため、リアルタイム生放送ができないところにあります。放送するためには、グーグルが所有するサーバーにデータを落とさなければならないので、時間の上限も十分と決まっています。
こんな時代を感じる部分もありました。時代を鑑みないと著者を叩く人が出てきそうですね。本書は2009年のものです。無理もないことです。
>いまでも新聞記者や民放キー局の報道記者たちは、大臣の首を獲るのが勲章だと思っているフシがありまあす。国民に不利益をもたらしているシステムの欠陥や問題点を知らしめるのがジャーナリストの役割だと私は思うのですが、なぜか記者たちは、問題の原因をシステムのせいではなく、個人の問題に還元しようとしがちです。
ここが一番共感出来ました。どうでもいいようなことを突いてるのを垂れ流すテレビにはうんざりです。

次に、そんな洗脳から脱するテクニックが解説されます。前述したコンフォートゾーンを上にずらして…の部分ですね。
私が著者の主張で一番好きな「時間は未来から過去に流れている」説明も行われます。時間が未来から過去に流れるんですよ、凄くないですか?
説明しておくと、将来なりたい自分をリアルにイメージ出来ると「そのためには今何をしているべきか」が見えてきますし、自然とその行動をとるようになります。結果が今の行動を作るのです。
目標の立て方や考え方として知っておいて損はしないと思います。もし他人に薦めるなら他を読まなくていいから、ここだけでも読んでほしいですね。
>マナーは、だれから強制されるものでもない自主規制です。
本筋からは外れますが、マナーについての箇所は共感しました。SNS等で見る映画館のマナーの話とか地獄ですね。

最後は、お金に騙される理由についての話。
ここは人によって意見が割れそうですね。私は「うーん…」と思いました。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2020年5月4日
読了日 : 2020年5月4日
本棚登録日 : 2020年5月4日

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