デューン 砂漠の救世主〔新訳版〕 上 (ハヤカワ文庫SF)

  • 早川書房 (2023年4月15日発売)
4.06
  • (6)
  • (6)
  • (5)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 168
感想 : 10
3

フランク・ハーバートによるSF大河、『デューン 砂の惑星』の続編。ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督による映画化作品の前編が公開され、後編が待ち遠しい今、「もしかしたら続編の新訳(or旧訳重版)が出るかも?」と期待していたら、やってくれました我らがハヤカワさん。ということで、読んでみることに。

前作で、精強な砂漠の民<フレメン>を率いてハルコンネン軍と皇帝直属の親衛軍<サーダカー>を打ち破り、皇帝の娘(プリンセス・イルーラン)を妃にして皇位の座に就いたポール・ムアッディブ。彼を伝承にある救世主<リサーン・アル=ガイブ>と妄信するフレメンは、聖職省から教導団を宇宙各地に派遣して聖戦を敢行、ポール帝の下に人類を一つにした。
そんな圧倒的支配の中、ポール帝によってその権力を奪われた旧勢力(ベネ・ゲセリット、航宙ギルド、ベネ・トレイラクス)と、皇位の座に就くための道具としか扱われず、忸怩たる日々を過ごすポールの正妃イルーランは、ポール帝に対する陰謀を企てていた―――。

前作で<クウィサッツ・ハデラック>の力で「アトレイデス家を旗印に、狂信的で戦火と流血に塗れた宇宙規模の"聖戦"が繰り広げられる未来」を"視た"ポール。その未来予知のとおり行われる、フレメンによる聖戦。ポールには、まだ血に塗れた未来しか"視えない"。
そんな中、航宙ギルドから偶人<ゴウラ(=本人の死体から復活させられた存在)>が献上される。その姿形と言動は、先の戦いで命を落としたアトレイデス家の家臣で、ポールの剣術指南役であったダンカン・アイダホそのものであった。何かの策謀だと理解しつつも、ポールはこの"旧友"の姿をした<ゴウラ>を受け入れる。揺れ動くポール、そして妹のアリア。この選択がどのような結末を辿ることになるのか―――(後編へ)。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2023年10月21日
読了日 : 2023年10月21日
本棚登録日 : 2023年4月22日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする