長期政権のあと (祥伝社新書)

  • 祥伝社 (2020年8月1日発売)
3.77
  • (7)
  • (13)
  • (8)
  • (3)
  • (0)
本棚登録 : 136
感想 : 16
5

2020/12/24「安倍長期政権のあと」山口二郎・佐藤優☆☆☆
「名著」知の巨人お二人の共著 クオリティ高い 単行本数冊分 佐藤優氏☆
課題は整理された いかに取り組むか コロナ禍を口実に逡巡している
先送りすると、失われた時代が続き、「資産の焼け野原」

Ⅰ.安倍長期政権 2012.12-2020.08
1.安倍一強 過度な権力集中 官房1200  府2400 内閣人事局'14年
2.行政権の絶対優位 立法・司法の軽視 ファシズムの手法
  アカウンタビリティー説明責任なし 民主主義の否定
3.支持率第一主義 短期施策に集中 長期ビジョンも戦略も無い
  もともと安倍氏には政権構想はなくレガシーと長期在任ねらい
4.人材育てず 劣化 側近政治 トップリーダーの器では無い
  官邸官僚に依存し、党内の後継者・若手には無関心 自分だけ
  二人の長老に依存 麻生副大臣 二階幹事長 爺や体制
5.三つの大権 ①公認権②政党交付金③解散権
  小選挙区制をフル活用 
6.対米追随=日本の国体とした 天皇無視
→コロナ禍まではやりたい放題だが、実績・実力が問われるガチンコ 敵前逃亡 得意の   

Ⅱ.戦後の世界政治
1.民主主義と資本主義のバランス 大きな政府と小さな政府
  ex池田勇人「所得倍増」、佐藤栄作「社会開発」
2.新自由主義 ハイエク、フリードマン
  サーチャー政権[79-90] レーガン[81-89] 中曽根康弘[82-97]
  「小さな政府」→国民社会の統合の低下→地方独立・分権の動き
  exスコットランド 分断の勢力
  反対勢力の弱体化 組合・野党 →長期政権・新自由主義
3.1985年プラザ合意
  中曽根行革「民営化」①効率化・生産性向上②税収増③組合解体
4.90年代Global資本主義経済 クリントン政権'93-'01
  ①情報革命 情報スーパーハイウェー構想
  ②金融規制緩和 '95 ドル高容認 海外マネーの取り込み NAFTA
5.小泉構造改革
  ①郵政民営化。財投縮小②医療に市場原理③非正規雇用の拡大
  ④企業内部留保463兆円

Ⅲ.自民党の強さ 90年代 冷戦終了・バブル崩壊→日本の衰弱
  合成の誤謬 雇用の効率化・非正規雇用
        所得の減少 消費の低迷
  小泉政権「'01年04月-'06年09月」
  ①経世会潰し②市町村合併③郵政民営化④経済財政諮問会議
  →「反知性主義」 言葉の崩壊 

Ⅳ.安倍政権後の国難
  コロナ禍→大政翼賛会=行政国家、ファシズム 同調圧力・自粛警察
  山口先生は「民主的に運営ができる」と甘い見通し 民主党政権
  野党は本気で政権を取ろうと思っていない! これが実態と思う
  自棄になり、投機的リーダーシップを求める(一か八か) ヒトラー
  SNS 権威の否定①政治②メディア cf中世「印刷」教会権威を否定
  
Ⅴ.日本の劣化 アベノミクスの検証を 
  GDP増加 ドルベースでは 国債増加の代償
  インバウンド 航空機特需
  雇用改善
 →真の人材育成 教育 Glocal エッセンシャルワーカーを大切にする社会

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2020年12月31日
読了日 : 2020年12月24日
本棚登録日 : 2020年12月18日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする