わたしのゆたんぽ

  • 偕成社 (2012年12月6日発売)
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本棚登録 : 255
感想 : 27
5

わたしはゆたんぽが好き。
でも、ゆたんぽの方はそうじゃないのかもしれない。
だって、ゆたんぽは私の足から逃げるのです。
ある晩、とうとう布団から夜空に逃げ出したゆたんぽを、私の足は追いかけます。
どこまでも、どこまでも。


めっちゃ好き。好みどストライク。
まず、絵が可愛い。夜空や街や宇宙の風景も素敵。
そしてそこににょきーと伸びてゆく足のシュールさよ。
昭和な女の子とゆたんぽの表紙に、詩の絵本かしら?などと思っていたら、まさかのSFでした。

一晩の宇宙旅行。見た目が足の宇宙人たち。
なんとも形容詞難いゆたんぽと私の関係性。
私のクールな語り。そして素敵な絵。
これは絶対紹介したいーと思って、読み聞かせに使いました。

以下は、その時の2年生の子たちの反応です。

ゆたんぽって、最近(?)見直されてきているのですかね。
殆どの子が知っているようでした。時代はエコだから?よいことですね。

ゆたんぽが逃げ出すところで、「自分で蹴ったんやろ!」。
足がにょきーと伸びるところで、「『あしにょきにょき』みたい」。
宇宙に飛び出すところで、「わかった!これ夢だ!」。(現実的なのね)
宇宙人たちに囲まれるところでもいっぱい意見を聞かせてくれたけど、ちょっと覚えていません。
一番最後のおしまい!のところで、「ちょっと待って!今描いてあったの見せて!」って言われました。奥付のところに描いてある小さな絵です。
なんか描いてあったな―って見返したら、ゆたんぽの像が足の宇宙人たちによって奉られている絵でした。
自分で見てる時は気づかなかったー!
鋭い子どもたちのお陰で、ゆたんぽが教祖様(?神?)として崇められていることに気づくことが出来たのでした。
そんなところまで面白すぎるよ。
はぁー、好き。

読書状況:読みたい 公開設定:公開
カテゴリ: 絵本
感想投稿日 : 2020年7月19日
本棚登録日 : 2020年7月12日

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