夏休み真っ最中のプールの帰り道、道端でセミの抜け殻を拾っていたミッチは、手のひらに乗るくらいの、平べったくて黒っぽい、クジラに似た形の木のかけらを拾います。持って帰って道ばたコレクションに加えるミッチでしたが、コレクションを机の上に並べている時に、誤って麦茶を机にこぼしてしまいます。
タオルを取りに行き、へやに戻ったミッチが見たものは…?
麦茶のかかった木の欠片は、むくむくと膨らみだし、小さなクジラになって動き出したのです。小説家で、いつも家にいる仲良しのお父さんと一緒に、ミッチは小さなクジラを飼うために色々な食べものを与えてみますが…?
ミッチことミチルのうちは、お父さんが小説家で家にいて家事をやっていて、お母さんが外で働いているおうち。今っぽくてよいですね。ミッチとお父さんが仲良しなのもほっこり。小さな動くクジラを見ても、ミッチと同じ目線で驚いたり考えたりしてくれるお父さんに癒やされます。
ミッチ命名の“セミクジラ”が、セミの抜け殻を食べるというのも面白い。
ミッチの、セミの抜け殻をひたすら集めるという趣味が生きてよかったですね。
最後はあっけなかったけれど、なんだか壮大な終わりのような気もします。
そして、お父さんが子供の頃に拾って、ずっとおじいちゃんの家にあったゾウみたいな形の木の欠片…。ロマンを残して終わる終わり方もよきです。
とにかくミッチとお父さんのやりとりが癒やしの物語でした。
小学校2年~4年くらい。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
小学校中学年
- 感想投稿日 : 2021年6月29日
- 読了日 : 2021年6月29日
- 本棚登録日 : 2021年6月28日
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