カブキブ! 1 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA (2013年8月24日発売)
3.90
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本棚登録 : 1055
感想 : 108
5

面白い!!!
超面白い!!!

友人のすすめで手に取ったものの、歌舞伎にさほど興味がないし…と思っていたのですが、ぐいぐい惹き込まれました。
文章が巧いし、ライトで読みやすい。
ライトノベル寄りでYA気味ではあるけれど、歌舞伎という古めかしく難し気な題材に重い文体ではそもそも読者を選ぶ。黒悟がやろうとしていること同様、分かりやすく入りやすい文章は歌舞伎の魅力を存分に伝え、興味を持たせるのにぴったりである。

主人公の来栖黒悟は歌舞伎を愛して止まない高校一年生。
歌舞伎愛が高まりすぎて、高校で歌舞伎部を立ち上げようと、無口な親友・IT男子のトンボとともに、東奔西走して愛好会に必要な最低人数の5人を確保しようとしますが…。

次々に出てくるキャラがみんな濃くて、だがみんないい。
超絶格好いい演劇部のスーパースター芳先輩も、筋肉マッチョを目指す日舞の名取・花満先輩も、自称チビデブブスの三重苦コスプレ界の神・丸ちゃんも、みんな好き。
正直設定や人物像はラノベというか漫画というか、漫画そのものではあるけれど、それが全然嫌じゃなく、むしろこれくらいぶっ飛んでる方が面白い!と思えるのは筆者の筆力ゆえか。それとも表紙の感じから、ラノベとして読んでいるからなのか。いやでもラノベが好きというわけでもないので、やはり文章の巧さや話の持って生き方や人物像の描き方がよいからとても惹き込まれるのだろう。
因みに私はトンボと遠見先生が好きです。
梨園の御曹司蛯原君と中二病拗らせナルシストの阿久津くんの今後も気になりますね!

歌舞伎はあまり知らないけれど、たまたま知っていた「三人吉三」が出てきてテンション上がり、以前に「声にだすことばえほん」で読み聞かせをした「知らざあ言って聞かせやしょう」の弁天小僧も出てきてテンション上がりました。

阿久津が全然出てこないなと思ったら、満を持しての。
あの終わり方では、続きが気になって仕方ない。
かくして、次巻を借りに図書館に走ったのでした。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: YA
感想投稿日 : 2018年7月30日
読了日 : 2018年7月30日
本棚登録日 : 2018年7月30日

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