小学5年生の光平は、ある時部屋の掃除をしていて、前におばあちゃんからもらった絵日記を見つけます。
おばあちゃんが「これを書けば願いがかなうよ」と言ってくれた日記。ずっと忘れていたけれど、おばあちゃんが亡くなってしまった今、光平はその日記に、「おばあちゃんに会いたい」と書きます。するとその夜、夢におばあちゃんが現れて…。
これって、偶然?それとも本当に願いが叶うの?
光平は、考えながら、次々と願いを書いていきますが…。
タイトルを見るとファンタジーなのかな?と思うが、実はそうではない。
小5にもなると、願いが叶う魔法、なんて、心の底から信じているわけではなく、なんとなく叶いそうな願いを書いていく光平の姿がリアルで面白い。
おばあちゃんの日記を「本物」にするために、願いを叶えるべく奮闘する光平の成長の物語。
よく、「願いは口に出せ」とか「書き出してみろ」とか、自己啓発本のようなものでも見るが、本当にそうなんだろうな。
「したいなぁ…」ではなく、「する」と言い切ってしまうことが大切なんだろう。
光平が、日記の文言を「○○をした」と言い切ってしまうことにしたことには、そういう強い思いが込められていて、なるほどなぁを思った。
結果が付いてくるための努力をするのが億劫で、「○○した」はおろか、「○○する」「○○しよう」すら言い出せなくなっているが、少しは見習いたいと思った。←「たい」と言っている時点であまりやる気はみられないが。
作中に『星の王子さま』が出てくるのもポイントが高い。
『星の王子さま』と合わせて紹介しても。
- 感想投稿日 : 2019年9月28日
- 読了日 : 2019年9月14日
- 本棚登録日 : 2019年9月14日
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