2030年という近未来の世界情勢の予測が、人口分布や中間所得層の購買力などのデータが図に示されながら、解説されています。予測は、世界の流れを変える要素ごとに楽観シナリオ、悲観シナリオと世界経済が沈んでゆくシナリオから最も発展するシナリオまで段階ごとに4パターンの世界が提示されています。これを見るとどうみても日本は右下がりですが、それに比べると、今勢いのある中国や今後飛躍的に伸びるインド、そして、一国で覇権を握る時代は過ぎたとはいえ、やはりアメリカの存在は無視できないことが分かります。SFの世界ではなくその頃の自分が〇〇歳になっていると想像できる世界なので、複雑な気持ちで読みました。
過去20年間は歴史的にみても武力紛争の少ない稀な平和な時代だったそうですが、経済面での楽観的なシナリオでは、アメリカと中国が協力関係になってそれに伴い世界経済が発展するという筋書きです。やはり紛争はマイナス要因になるわけですが、さて、そうなれば一体日本はどの立場で生き残っていくのでしょうか。人口は減り生産性も落ちて国としての繁栄は過去のものとなっていく過程がみてとれるだけに、世界の動きとは無関係ではいられない自覚もさることながら、自助努力の必要性を痛感したのでした。
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- 感想投稿日 : 2013年6月2日
- 読了日 : 2013年6月2日
- 本棚登録日 : 2013年6月2日
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コメント 1件
piccolo33さんのコメント
2013/06/02