急に売れ始めるにはワケがある ネットワーク理論が明らかにする口コミの法則 (SB文庫)

  • SBクリエイティブ (2007年6月23日発売)
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「ティッピング・ポイント」ということばはもともとは核物理学で使われることばのようですが、マーケティングや社会学の分野で、こう定義されています。「あるアイデアや流行もしくは社会的行動が、敷居を越えて一気に流れだし、野火のように広がる劇的瞬間のこと。」
この本はこの感染現象が起こる原理や原則を、さまざまなエピソードを通して紹介していきます。最初に紹介された例では、アメリカのある靴のブランド品が何故売れ始めたのかが述べられています。その他、梅毒の感染の話、アメリカの独立革命での話、ニューヨークの地下鉄の話、自殺や喫煙の話・・時代や場所もさまざまです。
この本が刊行されたのが10年以上前のようですので、今ではこの理論がさまざまなところに応用されているのが自明になっています。その上、多くの人がブログを書き、SNSでのつながりが生活の中に浸透している現在の世の中ではその変化は速く、予測も難しいものになっています。
それでも、筆者が「社会にはむずかしいところや当てにならないところがあるのは確かだとしても、そこには大きな希望の余地も残されている。」と述べているのは特筆とするところです。「些細なところから大きな結果を生み出すことが可能」だと考えてひとりひとりがよりよい行動を起こすことが今の私たちには肝要です。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: マルコム・グラッドウェル
感想投稿日 : 2012年8月19日
読了日 : 2012年8月19日
本棚登録日 : 2012年8月19日

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