國分功一郎さんが自身の訳書、クレア・コールブルック『ジル・ドゥルーズ』 (シリーズ現代思想ガイドブック) の解説にて、ドゥルーズ最初の一冊としてお勧めしていた本。
うろ覚えだが、國分さんはその解説の中で次のようなことを言っておられたと思う。そして、これがこの本の印象にぴったり当てはまる。
「たとえばドゥルーズがカントの哲学について語るふりをして、自分の思想を語っていたとしたら、そのカント論は不正確なものだといわざるを得ない。しかしドゥルーズの特異なところは、それが優れたカント研究でありながら、同時にドゥルーズの思想としか呼びようのないものを語っていることである・・・」
ところでドゥルーズは教師としても優れた人だったようで、本書もとても丁寧に書かれている。難解な思想家としてのドゥルーズ、というイメージとは少し違う、堅実な哲学史家としてのドゥルーズ。少なくとも本書では、概念もレトリックも訳わからん、ということにはなりませんでした。
ちなみに、スピノザに関しては上野修 著『スピノザの哲学』(講談社現代新書)がよかったです。
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- 感想投稿日 : 2010年11月19日
- 読了日 : 2011年4月26日
- 本棚登録日 : 2010年11月3日
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