新潮社の季刊誌「考える人」に9年にわたって連載された35篇のエッセイをまとめたもの。
テレビドラマの脚本家として高名な著者の晩年の心境が過去の思い出や交流関係を素材として語りかける。
松竹映画からテレビドラマへと師匠格だった木下恵介や大学時代の盟友寺山修司、同時代の脚本家向田邦子、市川森一を扱ったものが印象に残った。
ただ何処か欧米文化に引きずられた世代の古さを感じてしまう点や文章の回りくどさが折角の味わいを減殺するような印象を残すものもあって初めて著者の著作を読んだものの老いの混濁した痕跡が残滓のように思えたのは残念だった。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
エッセイ
- 感想投稿日 : 2024年2月17日
- 読了日 : 2024年2月17日
- 本棚登録日 : 2024年1月28日
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