日本人を語る以前に、世界における人間とは何か。どこかで読んだような文化人類学の話題がてんこ盛りだが出典が章ごとに明記しており、元ネタをちゃんと開示するところは良心的。話題になったサンデルの命題から、ハネケの映画『白いリボン』を例に挙げるなど分かるひとにはさらに分かりやすくなる工夫も多いが、この著者の親切な解説も、前提となる知識がある程度は要求されているようである。
敗戦後、マッカーサーに当てた日本人たちが、過去を悔いて、救い主を期待する内容の手紙が興味深い。わたしたちは日本人であるかもしれないが、日本人であるという枠組みは必要としていない。
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- 感想投稿日 : 2014年8月25日
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- 本棚登録日 : 2014年8月25日
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