深川澪通り木戸番小屋の2冊目は、悲しい話でした。
1冊目は1つ1つの話に救いがありましたけど、2冊目の特に前半の話は悲しい話です。
2冊目は中編が2作。2作が微妙に繋がってる感じです。
孤児の塩売りから仕事でも狂歌師としても這い上がったけれど、全てを失ってしまう人の話。
仕事に夢中になるあまり家庭を顧みなくなり奥さんに出て行かれるとか、その後知り合った女性とも最後の野心から二の足を踏むうちに時間がなくなってしまうとか、本当に好きだったから逃げてしまったと後から戻って来られても他の男と駆け落ちされたことが忘れられないとか、人の暮らしは江戸時代も今も同じみたいです。
後半は、経済的には自立していて長年不倫をしている女性が自分の行く末に不安になりつつ、それでも自分の選んだ道に胸を張って見栄を張ろうとする話。
夫がいても、子供がいても、友達がいても、結局最後は1人かもしれない、という不安も昔も今も変わらないようです。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2016年10月10日
- 読了日 : 2016年10月10日
- 本棚登録日 : 2016年10月10日
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