ハワーズ・エンド (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 1-7)

  • 河出書房新社 (2008年5月12日発売)
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感想 : 26
3

初読 ★3.5

吉田健一氏の翻訳、を楽しみに読む始めたのだけど、
これが私と合わなくて、なかなか苦戦。
けど、癖になる、というのもうっすら理解できるような
フォースターの人間の内面動きをこれでもかと
文章化する手法にも圧倒されながら流してしまったような…

お父さんが遺した遺産での文化教養三昧生活、イイナ〜
とか思いながら
イギリスの小説の明確過ぎる身分の上下に
おお…と不思議な感嘆。
それにしても、イギリスにおけるロンドンと田舎って
単に都会と田舎、東京都心と地方、の感覚とは違うよね…
田舎が美し過ぎるから?

「金は世界で2番目に大事」の下りで出てくる
「緯糸が何であろうと現金が文明の縦糸」
巻末の池澤夏樹氏の解説で縦糸は最初から織り機にセットされている、
とあり、ようやく縦と緯の違いを理解した次第。
ああ、だから「縦の糸はあなた、横の糸はわたし」なのか!と笑
セットされた縦糸に対して、及ぶのは緯糸って事かかぁ

マーガレットとヘレンの関係は
姉妹である自分と妹の関係を思い起こしてなかなか胸が痛かったり。
「あやまち」をおかした妹に対してマーガレットのように
大事な事を大事に、フェアに振る舞えるか?
全く自信はない。40過ぎた今になっても。
たとえ自分達が間違っていても、そちらの結果の方が良いなら
「自分が間違えた」という事に頓着しない、
そういうフェアネス、持ちたいどす…

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: イギリス文学
感想投稿日 : 2018年8月26日
読了日 : 2018年8月26日
本棚登録日 : 2018年8月26日

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